国宝・彦根城築城410年祭を記念した狂言会「アイルランドとおんなの世界」をHIKONE ART CASTLE 2017の一環として彦根城博物館能舞台にて開催いたします。
二人のアイルランドの文学者が19世紀から20世紀へ移行する頃、日本と出逢い、両国に 流れる心や伝統の葛藤を自らのものとして、斬新な作品を作りあげました。
一人はアイルランドの国民的詩人・劇作家 W.B.イェイツであり、もう一人はギリシャ出身の母をもち、父の国アイルランドで育った ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)です。
狂言は600年以上の歴史があり、古くから伝承されてきた演目を繰り返し再演しているように思われがちですが、実は現代でも「新作」が創作されることは珍しくありません。 第1部は「アイルランド・日本外交関係樹立60周年記念事業 茂山千五郎家狂言アイルランド公演」凱旋公演も兼ねて、イェイツの戯曲『猫と月』をもとにした文字通りの新作 と、ラフカディオ・ハーン原作「ちんちん小袴」を初演いたします。第2部は、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」が、彦根藩井伊家初代直政の養母であることから女性が活躍する演目を上演いたします。新作狂言、古典狂言の魅力をたっぷりと味わってください。
- 期間
- 平成29年10月7日(土)第1部 12:30開場 13:00開演・第2部 15:30開場 16:00開演
- 場所
- 彦根城博物館能舞台
- 料金
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第1部 正面席 4,000円・脇席 3,500円
第2部 正面席 4,000円・脇席 3,500円
第1部・第2部通し券 [正面+正面] 7,000円・[正面+脇] 6,500円・[脇+脇] 6,000円 - 特典
- 彦根城・彦根城博物館・玄宮園・開国記念館の入場券付

「貰聟」撮影: 川西善樹
公演内容
第1部 12:30開場 13:00開演
愛蘭土と狂言の出逢い W.B. イェイツと小泉八雲
「アイルランド・日本外交関係樹立60周年記念事業 茂山千五郎家狂言アイルランド公演」凱旋公演
井伊家お抱え狂言師であった茂山千五郎家が、今年アイルランド・日本外交関係樹立60周年記念事業の一環で、アイルランドで狂言公演を行うことから、その日本凱旋公演として、アイルランド文学と狂言との出逢いテーマに、W.B.イェイツ原作「猫と月」と、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)原作「ちんちん小袴」を基にした狂言を上演します。なお、狂言版のちんちん小袴(茂山千五郎作・演出)は、日本初上演です。また、滋賀大学教授でアイルランド文学者である真鍋晶子氏と、狂言師・松本薫氏による対談も行います。
対談 真鍋晶子(滋賀大学教授・アイルランド文学者)vs 松本薫(狂言師)
新作「ちんちん小袴」
[原作] ラフカディオ・ハーン [作・演出] 茂山千五郎
島田洋海・山下守之
新作「猫と月」
[原作] W.B.イェイツ [訳] 佐野哲郎 [演出] 松本薫
茂山千五郎・茂山茂・松本薫
第2部 15:30開場 16:00開演
女が主
今年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」で、彦根藩井伊家初代直政を命を懸けて守り抜く井伊直虎の生涯が描かれることから、女性が活躍する演目を上演します。なかでも「鬼ヶ宿」は井伊直弼の作であり、彦根にとっても茂山家にとっても特別な演目として演じられます。
解説 丸石やすし
「鬼ヶ宿」
太郎 茂山千五郎 女 茂山 茂
「貰聟」
男 茂山千三郎 女房 茂山宗彦 舅 茂山 千作
「髭櫓」
男 茂山七五三 女房 茂山逸平 近所の男 網谷正美
女房達 茂山宗彦・茂山茂・島田洋海・山下守之・松本薫
茂山千五郎家
九代目の茂山千吾正乕が彦根藩の演能に参勤していた時、「枕物狂」のシテを勤めていた役者が倒れ、その代役を見事に勤めた功績により彦根藩に抱えられた。現在も十四代目の当主・千五郎を中心として、400年にわたり狂言の普及・継承に努めている。井伊直弼は、能・狂言に造詣が深く、自らも作品を作り、1曲の能と2曲の狂言が残されている。能は琵琶湖を舞台とした「筑摩江(つくまえ)」。狂言は「鬼ヶ宿(おにがやど)」と「狸腹鼓(俗称「彦根狸」)」だ。狂言作品は、彦根藩お抱え狂言師であった茂山千五郎に与えられ、茂山千五郎家にとって特別な曲として扱われている。国宝・築城彦根城410年祭記念狂言会では「鬼ヶ宿」が上演される。

「鬼ヶ宿」撮影: 川西善樹
チケット販売について
チケットの予約受付開始は、8月1日(火)から、ひこね市文化プラザにて取り扱いとなります。
電話予約 0749-27-5200(受付時間 9:00~19:00)
休館日(月曜日、月曜が祝日の場合は翌日)を除く
インターネット予約
ただし、第1部・第2部通し券は、電話予約のみの受け付けとなります。